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デビットカードは、預金口座と紐付けられ、即座に口座から残高が引き落とされる形で決済される仕組みを持つカードです。
今日では、たいていの国ではデビットカードを使い、クレジットカードと同じように外貨で預金口座を引き出せます。つまり、あらかじめデビットカードと紐付けられた預金口座にお金を入れておき、外国に行った際には必要に応じてそこからお金を引き出す、という形にすれば、キャッシングに頼らず、両替所を使わずとも外貨を手に入れられるのです。
ただ、外貨として預金を引き出す際には手数料が発生しますので、あらかじめどのくらいの金額なのかはチェックしておいた方がいいでしょう。
海外で大量の現金を持ち歩くことには、リスクがついてまわります。盗難、紛失だけでなく、大金を所持していることが知られたら襲われる危険性すらあります。デビットカードでその都度必要な分だけ現金を引き出すようにすれば、そうした盗難リスクを回避できます。
空港で日本円を両替するとなると、一定の手数料がかかります。デビットカードからの引き出しに関しても手数料は生じるのですが、空港にある両替所の手数料よりも安く済むケースが往々にしてあります。
少しでもお得にするのであれば、デビットカードを持つことを検討してみてください。
クレジットカードでの買い物は、厳密には借金にあたるため、信販会社などの審査が必要です。ですが、デビットカードはあくまでも自身の口座の残高からお金を引き落とすだけなので借金にはあたらず、審査のハードルも低くなっています。
デビットカードは、銀行口座にある残高を利用するためのカードです。そのため、当然ながら銀行口座に現金がなければ、デビットカードは使用できません。
渡航先で残高不足になってしまえば、国内にいるときよりも圧倒的に不便になりますし、状況の解決も難しくなります。海外で資金不足に陥ることのないよう、あらかじめ紐付けられている口座には一定の残高を入れておくようにしましょう。
また、もし使う予算を明確に決めているのであれば、その予算分だけを口座に入れておくようにすることで、必要以上にお金を使いすぎるといった事態は防げます。
デビットカードで現金を引き出す際は、ATMを利用します。そのため、ATMがない場所では現金を手に入れることができません。
大都市圏であれば心配はいりませんが、地方都市やATMが普及していない国に行く際には、目的地にATMがない可能性も考慮し、事前に必要な分だけの現金を用意しておくようにしましょう。
もし不安があるということであれば、前もって目的地について詳しく調べ、ATMに関する情報を収集しておくといいでしょう。現地にATMがなくても、近隣の街でATMがあるところを確認しておけば、万が一のときに役立つかもしれません。
もし万が一不正利用の被害に遭ってしまった際、クレジットカードであればクレジットカード会社が支払い不要として扱ってくれるケースが多くあります。
しかし銀行口座から直接残高が引き落とされるデビットカードの場合、警察に被害届を出したり、銀行側で調査をしたりするなどして、お金が戻ってくるまでに数か月の時間を要することも少なくありません。また、銀行やデビットカードの種類によっては、不正利用に対する補償そのものがないというケースもあります。
ソニーバンクウォレットは、ソニー銀行のVisaデビット付キャッシュカードです。200以上の国・地域で買い物ができるほか、海外ATMで口座から現地通貨を引き出せます。海外旅行や出張、留学などの長期滞在に一枚用意しておくと便利でしょう。使える外貨は10種類と豊富で、ショッピング保険や不正利用補償など、手厚い補償体制も魅力です。
外貨両替にかかる手数料:
※価格は、2021年10月の情報です。
マネパカードは、事前にチャージして使用するタイプのプリペイドカードです。専用口座に紐付け、その口座からチャージをしていくタイプで、都度任意の額をチャージしていく「フルチャージ」と、残高に応じて決められた金額がチャージされていく「カスタムチャージ」の2種類を選べます。ショッピング利用で1パーセントの還元を受けられるというメリットもあります。
外貨両替にかかる手数料:
米ドル 4USD/回、ユーロ 3.5EUR/回、ポンド 3GBP/回、豪ドル 5AUD/回、香港ドル 40HKD/回
イオン銀行の普通預金口座と紐付けられるデビットカードです。「VISA」のマークがある場所であれば、店舗・ATMを問わず利用できる汎用性の高さがあります。また、イオンのお店でも利用可能です。また、万が一預金残高が不足していたとしても、一時的に10万円まで立て替えてくれるというサポート体制が用意されています。
外貨両替にかかる手数料:1件につき220円
※価格は、2021年10月の情報です。
住信SBIネット銀行が用意するデビットカードで、国内・海外を問わず、買い物や支払いで利用金額の0.6~1%のポイントがたまるのが特徴です。ポイントは現金やJALのマイルに交換できます。また、万が一紛失や盗難などによってカードを不正利用されてしまう被害を被った場合、届け出日から30日間さかのぼって、被害を補償してくれます。
外貨両替にかかる手数料:海外事務手数料2.5%
JCB・VISAのどちらか好きな方を選べます。国内外のショップやATMで利用でき、使用後にはすぐにお知らせメールが届きます。スマートフォンの新しい決済サービス「Google Pay」に対応しており、アプリを登録すればスマートフォンだけで支払いが可能です。ショッピング保険や不正利用補償も付帯しているので、海外での利用にも安心です。
外貨両替にかかる手数料:1回110円
※価格は、2021年10月の情報です。
「VISA」のマークのある店舗・ATMであればどこでも利用でき、口座の預金を現地通貨で引き出すこともできます。使用後、パソコンやスマホで専用サイトにアクセスし、口座残高を随時チェックできます。カードを第三者に不正使用された場合の補償は、年間500万円分まで付帯。カードの利用停止・再開は自身で設定可能となっています。
外貨両替にかかる手数料:出金手数料は無料
※取扱通貨は米ドルのみ。
※送金元の金融機関、または中継銀行によっては、手数料がかかる場合があります。
りそなデビットカード(Visaデビット)なら、「Visa」や「PLUS」マークのついたATMが利用可能。自身の口座から現地通貨が引き出せます。利用可能なATMは、銀行だけではなく、主要な空港やショッピングセンターにも多く設置されているので、キャッシングに困る場面はそう多くないでしょう。
外貨両替にかかる手数料:2.5%の事務手数料、現地金融機関の所定の使用料がかかる場合があります。
スルガ銀行が提供しているデビットカードで、スルガ銀行Dバンク支店の口座に入れた預金を現地通貨で引き出せます。為替決済レートの確認ができ、年間利用金額の0.2%をキャッシュバックしてもらえるサービスがあります。盗難や偽造によってカードが第三者に不正利用されたときの補償体制も整っているので、安心して使えます。
外貨両替にかかる手数料:1回のご利用に220円 ※一部のATMでは、現地金融機関の所定の使用料がかかることがあります。
※価格は、2021年10月の情報です。
ANAが提供しているデビットカードです。取引状況に応じて、ATMによる出金手数料やインターネットバンキングによる他行あて振込手数料が無料になる優遇サービスがあります。また、銀行取引によってマイルがたまるようになっているので、頻繁に海外へ足を運ぶ方にとっては、メリットのあるカードと言えそうです。
外貨両替にかかる手数料:220円
※価格は、2021年10月の情報です。
楽天銀行が提供しているデビットカードでは、Visa、JCB加盟店での利用によって、100円で1%分の楽天スーパーポイントが貯まる特典があります。また、貯まった楽天スーパーポイントをデビットカードの支払い分として利用できます。(※海外ATMでの現地通貨の引出は対象外)楽天銀行を利用しているのであれば、持っておいて損はないでしょう。
※価格は、2021年10月の情報です。
外貨両替にかかる手数料:無料
※海外ATM設置銀行独自の手数料が必要な場合あり
海外でのデビットカード、クレジットカードにまつわるトラブルとしてよく知られているのが、スキミングによる被害です。スキミングとは、カードに付いている磁気ストライプを特殊な機械で不正に読み取ってカード情報を抜き取る犯罪行為のこと。これによってカード情報を複製されてしまえば、カード残高を奪われてしまいます。ATMを利用するときは、街中の機械などはなるべく避け、空港や大手銀行など、比較的安全な場所のものを利用するようにしましょう。また、スキミング被害が疑われる際は、迅速にカード会社へ連絡しましょう。
海外でのデビットカード利用は、ATMで自身の口座から必要な分だけ現金を引き出せるので両替所に並ぶ必要がなく、計画的にお金を使っていけるというメリットがあります。銀行各社がそれぞれにデビットカードを発行しているので、自身の現状と照らし合わせて、最も手間がかからず便利に使えるところで作っておくと便利です。
ただ、海外でのデビットカード利用についてはリスクもありますので、前もって相談窓口などをチェックしておくようにするのが無難です。
ここではデビットカードによる、外国での現地通貨による預金口座引き出しについて触れてきましたが、デビットカードを使わない形での外貨両替方法もあります。以下、それらについて紹介していきますので、自身に合った方法を選んでみてください。
外貨両替専門店 (GPA) |
銀行 (三菱UFJ銀行) |
金券ショップ (大黒屋) |
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手数料 | 店舗…為替レートに含まれる 宅配…配送料無料 |
店舗…要問合せ 宅配…対応不可 |
店舗…記載なし 宅配…配送料700円 |
取扱通貨 | 34種 | 21種 | 11種 |
上限 | 30万円 | 要問合せ | 50万円 |
安全性 | 高い | 高い | やや低い |
紙幣内訳 | 各通貨の取扱最小 紙幣単位で指定可能 |
要問合せ | 要問合せ |
※価格は、2021年10月の情報です。
出国前に、自宅で外貨を手配したいということであれば、外貨宅配サービスが便利です。成田空港グループ直営の「GPA(グリーンポート・エージェンシー)」は、オンラインで申し込みができ、最短で翌日に現金を発送してくれます。世界34通貨の取引が可能となっており、送料・代引き手数料は無料です。年間利用者数は100万人以上と、非常に多くの人々に利用されている、安心・安全のサービスとなっています。詳しくは、下記URLからチェックしてみてください。
※現在サービス停止中です
国内最大手の銀行のひとつである三菱UFJ銀行では、外貨両替専門のコーナーを設けています。最大で16種類の外貨現金を取り扱っており、窓口ですぐに両替ができるという魅力があります。
各地の支店の他、成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港に支店を構えているので、空港の両替所での混雑を避けたいのであれば、事前に都合のいい場所に立ち寄って、前もって現金を手配しておくといいでしょう。現場でレートを確認できるのも、ありがたい点です。
金券ショップの「大黒屋」でも、外貨両替を取り扱っています。全国210店舗で外貨両替に対応しており、銀行の営業時間外でも両替に対応してもらえるというメリットがあります。店頭両替の他、インターネットでも簡単に申し込みが可能。高レートでの両替ができることもあるので、レートは実際にお店へ確認してみるといいでしょう。また、時期によってはお得なキャンペーンを実施していることもあります。詳しくは、サイトをチェックしてみてください。
『外貨宅配サービス」を使ってみよう!』
デビットカードは、口座と紐づけているのでクレジットカードと違い外貨を引き出すと口座残高から差し引かれる仕組みです。そのため、キャッシングに不安を感じている方にとっても使いやすいサービスでしょう。ただし現金で外貨両替できないため、ATMのない地域では活用できないデメリットもあります。
現金での外貨両替を検討している方の中には、渡航前に国内で両替する必要性を理解しつつ、わざわざ銀行や両替所に出向きたくないと考えているのではないでしょうか。
そのような時は「外貨宅配」を使ってみてください。外貨宅配は、指定した金額の外貨を用意してもらい自宅や指定した住所へ宅配してもらえます。わざわざ店舗へ赴く必要はありませんし、日本円の支払いは宅配時に可能です。(各サービスによって、口座引き落としなど選択も可能)