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【渡航の注意点】
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、各国は外国からの渡航者に対して制限をかけるなど、独自の防止策を講じています。渡航制限規制は感染症危険レベルに応じて措置され、不要不急の渡航を制限する感染症危険レベル2や、渡航中止勧告する危険レベル3など、規制のレベルはさまざまです。ニュージーランドなど日本と相互に渡航緩和協議中の国では今後、早い段階で全面解除される可能性がありますが、現時点では規制が完全に解かれておらず、ビジネス渡航も含めて海外旅行はしにくい状況です。従ってこうした状況を踏まえ、海外渡航を行う際は、外務省発表の感染危険情報のチェック、および渡航先の日本国大使館に記載されている情報を詳細に把握の上、慎重に検討されることをおすすめします。
南半球に位置するイギリス連邦の一つ、ニュージーランド。日本より小さい島国でありながら、雄大な自然と文化的な魅力を多く備えるこの国を、海外旅行してみたいと思ってる方も多いに違いありません。
今回はそんなニュージーランド旅行希望者のために、ニュージーランドの通貨や両替のポイント、食費・交通費・宿泊費など滞在費、日本との物価比較、チップ制度、税金、現金トラブル、日本大使館情報などについて紹介していきます。
日本円からニュージーランド・ドル(NTZ)への両替ですが、現地で行う場合は銀行、両替所、ホテル、日本で行う場合は、空港、銀行、外貨両替専門店、金券ショップ、外貨宅配サービスなどを利用して行うことができます。
このうち、金銭的な損得を考えれば現地で両替したほうがいいでしょう。現地の両替所なら日本で行うより有利なレートで両替することができます。
ただし、現地の銀行は営業時間が短く、土日は休み、両替所は24時間営業のところもありますが、レートは銀行よりも高いなど、不便でリスク要因が多いのも事実です。
従って、海外旅行や現地での両替に不慣れな方は、日本国内で外貨宅配サービスを利用したほうがいいでしょう。外貨宅配サービスは、必要な量の外貨をインターネットで注文すれば、自宅まで郵送してくれる便利なサービスです。レートはやや高くなりますが、旅行前に確実に外貨を手に入れることができ、自宅に届くのを待つだけでいいので安心できます。
ニュージーランドでは都市部を中心にキャッシュレス化が進んでおり、街中での食事やショッピング、宿泊施設など、多くの店やサービスでカード決済に対応しています。屋台でもカード払いできるところがあるほどなので、キャッシュレス化の普及はかなり進展しているみていいでしょう。
ニュージーランド旅行の決済手段は、クレジットカードをメインにしても困りません。クレジットカードなら利便性のみならず安全面でも対処しやすく、盗まれてもすぐにカード会社に連絡すれば、カードをロックしてもらい資産を保護できます。
一方、クレジットカードだけで大丈夫かというと、そうとも言い切れません。キャッシュレス化が進むニュージーランドとはいえ、カード決済に対応していない店はまだまだありますし、急なシステムトラブルなどで、クレジットカードが使えなくなる状況に遭遇する可能性もあります。
万が一の補助として、現金もいくらか用意しておくといいでしょう。場面に応じてカードと現金をうまく組み合わせることができれば、ロスのない旅行を楽しむことができます。
ニュージーランド旅行を楽しむには、滞在費の計算をしておかなければなりません。旅行の滞在費は主に、食費・交通費・宿泊費の3つです。それぞれニュージーランドではいくらぐらいかかるのか、相場の目安を紹介していきますので参考になさってください。
ニュージーランドの物価は全体的に日本国内より高いといわれ、滞在費としての食費も高くなる可能性があります。
レストランの場合は一人30NZD~50NZD程度が相場で、ランチなら10~20NZD(約750~1,500円)、ディナーは20~40NZD(約1,500~3,000円)程度です。
カフェ・ファーストフードは、マクドナルドのビッグマックが6NZD程度、カフェの朝食は10~20NZD(約750~1,500円)、ランチは10~25NZD(約750~1875円)が目安です。
カフェ・ファーストフードはレストランに比べて安価ですが、さらに安く食事を済ませたいなら、テイクアウトという手もあります。ニュージーランドのテイクアウトは、3~5NZD(約225~375円)程度でハンバーガーやミートパイ、フィッシュ&チップスなどを食することができます。どれか一つに偏るのではなく、複数の種類を組み合わせるのもいいでしょう。
ニュージーランド旅行における現地での交通費は、利用する交通機関ごとに、また移動する距離に応じて料金が異なります。交通機関ごとに大体の相場を紹介しましょう。
オークランドでもクライストチャーチでも、空港と市内を繋ぐバスが走っていますが、料金はオークランドのスカイバスで18NZD(約1350円)、クライストチャーチのメトロバスで8.5NZD(約637円)程度です。
市内を循環しているバスは、オークランドで一区間1NZD~(約75円~)、クライストチャートで一区間4NZD(約300円)で程度です。
1日乗り放題できるチケットもありますので、交通費を抑えたい方はぜひこのようなチケットを利用しましょう。
ニュージーランドの鉄道は「北島の鉄道」(オークランド~ウエリントン)、「南島の鉄道」(ピクトン~クライストチャーチ/クライストチャート~ウエストコースト)の3線があり、列車も市内バスと同様、一区間ごとに料金が決まっていて、交通費は3.5NZドル(約262円)程度です。
タクシーは、初乗り料金で3NZD(約225円)程度です。その後、加算されていきますが、日本国内よりも加算料金が安いのが特徴で、市内の観光スポットを10~20NZD(約750~1,500円)程度で見て回ることができます。
レンタカーの費用は車種によって1日あたりの料金が変わります。コンパクトカーなら70NZD(約5,250円)、中型車で90NZD(約6,750円)、4WD(四駆)で120NZD(約9.000円)程度です。
ニュージーランド旅行の宿泊費も、利用する施設の種類によって料金相場が異なります。ホテル、ユースホテル、Bed & Breakfast(B&B)の3つを例に挙げ、それぞれの相場を見ていきましょう。
ニュージーランドでもホテルの宿泊料金はランクごとに差があります。ビジネスホテル級の格安ホテルなら1泊40NZD~(約3,000円~)、それよりワンランク上の中級ホテルで1泊180NZD~(約13,500円~)、設備が完全に整った高級ホテルで1泊300NZD~(約22,500円~)となっています。
、なお、ニュージーランドのホテルの料金計算法は1人あたりではなく、一部屋ごとの料金設定です。
ユースホテルは、一部屋に4~8人など複数で泊まる形式の宿泊施設で、いわゆるバックパッカーよりワンランク上の宿になります。料金相場は、1泊15NZ前後~1泊30NZD(約1,125円~2,250円)程度です。ユースホテルは一部屋に複数が基本スタイルですが、シングルルームやダブルルームなどの個室もあります。
Bed & Breakfast(B&B)は、ホテルのように設備は十分に整っていないものの、寝る場所と朝食は確保できる「民宿」タイプの宿泊施設になります。料金相場は1泊90~120NZD(約6,750~9.000円)前後からです。一口にB&Bといってもランクはさまざま、価格帯もそれに応じて広くなります。
現在のニュージーランドの物価は、日本人から見て高いと思われます。その理由の一つは、NZDの通貨価値が対日本円で高くなった(円安NZドル高)からです。
そして為替の影響に加え、ニュージーランドはそもそも輸入国であること、近年は最低賃金が上昇したこと、日本に比べ人口が少なく価格競争が発生しにくいなどの事情から、物価は上昇傾向にあります。
では具体的にどのぐらい物価が高いのか、品目別に日本と比較してみましょう。
ニュージーランドの物価を実感できるよう、日本でも売られている共通の品目で価格相場を比較してみたいと思います。論より証拠、下記一覧をチェックしてみてください。
やはり全体的に見て、ニュージーランドの物価は日本より高めです。NZドルは対日本円の為替レートが2009年に50円程度で、10年後の2019年には75円に上昇(円安)していますから、その分の影響は如実に表れていると思います。
ついでに嗜好品の主要3品目、コーラ・たばこ・ビールでも、ニュージーランドと日本の物価を比較しておきましょう。
【コーラ 500ml】4$~
日本円で300円程度
【たばこ1箱】20$前後
日本円で約1,500円前後
【ビール 1缶350ml】4$~
日本円で約300円~
3品目でいずれもニュージーランドの方が高いですね。とりわけ、たばこの高さが際立っています。
ニュージーランドにはチップの制度も習慣ないので、基本的にはチップを支払う必要はありません。ただし、ホテルのポーターに荷物を運んでもらったお礼をしたい場合は、1~2$を渡すことができるでしょう。
またタクシーを利用した場合は、料金を紙幣で支払い、おつりの小銭は受け取らないという形でチップを払うことができます。
レストランも一般的にはチップを渡すシチュエーションの一つですが、ニュージーランドでは日本と同じようにサービス代も明細に含まれているので、個別にチップを払う必要はありません。明細書に表示された金額をそのまま支払うだけでOKです。
ニュージーランド旅行で商品やサービスを購入した場合、日本の消費税に相当するGST(Goods & Services Tax)という税金15%が課されます。GSTは消費税と同じく間接税のため、個別に納税する必要はなく、商品代金の中に含まれているので、商品代金を支払えば自動的にGSTの納税完了です。
一方、他国ではよくある旅行者向けの税金還付ですが、ニュージーランドのGSTについては還付制度はありません。この点は留意しておいてください。
ニュージーランドは治安のいい安全な国ですが、盗難、スリ、置き引き、車上荒らしなどの軽犯罪は起きており、油断していると現金を盗まれてしまう可能性もあるので、注意が必要です。
また窃盗ではなくても、店などでお釣りを少なく渡されたり、外貨両替でも現地通貨を少なく渡されたりする危険性はあるので、同じく注意を要します。
対策としては、できるだけ現金を持ち歩かないようにすることです。前述しましたが、ニュージーランドは多くの場所でカード対応しているので、現金は必要最小限、もしくはカードのキャッシングを利用し、後の支払いはクレジットカードで行ったほうがいいでしょう。
クレジットカードなら、紛失してもカード会社に連絡して使用停止にできますし、支払いに手間がかからずスムーズで、お釣りや両替のトラブルとも無縁です。もちろん海外キャッシングを利用して、カード自体で現金を調達することもできます。
ニュージーランド旅行で何らかのトラブルに巻き込まれ、一人で解決できないと思ったときは、現地の日本大使館を頼りましょう。日本大使館は、現地にいる日本人を保護し、様々なトラブルの解決を支援する在外公館です。
事件・事故に遭ったときの弁護士・通訳・医療機関の情報提供、盗難にあったときの現地警察への届出に関する助言、自然災害や騒乱が起きたときの支援や情報提供など、あらゆる問題解決に向けたサポートを行ってくれます。
場所 | Level 18, The Majestic Centre, 100 Willis Street, Wellington 6011 New Zealand |
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