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【渡航の注意点】
※2020年9月25日現在、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、現在、世界各国で渡航制限がなされており、平時のように海外旅行が行える状況ではありません。渡航制限に関する対応は各国で異なり、ビジネス渡航に限り入国を許可している国などもありますが、その場合も、外務省が発表する「感染症危険情報」をチェックする必要があります。当該発表によると、全世界的に感染症危険レベル2(不要不急の渡航の制限)、欧州、米国、東南アジアではレベル3(渡航中止勧告)といった具合に、各国の感染状況に合わせて危険レベルが設定されています。外国へ渡航する際はこれら外務省発表の情報と、渡航先の日本国大使館に記載されている受け入れ状況を把握の上、慎重に対応されることをおすすめします。
このページでは、タイ旅行に欠かせない現地通貨と両替方法の知識、食費・交通費・宿泊費などの現地滞在費、物価事情、日本との物価比較、チップや税金、現金トラブル、現地日本国大使館の情報などについて解説しています。
タイの法定通貨はバーツ=Bahtです。紙幣には1,000B、500B、100B、50B、20Bの5種類、硬貨には10B、5B、2B、1B、50Sの5種類があり、価格表記はバーツのB、もしくはサタンのSになります。サタンはバーツの補助通貨であり、1バーツは100サタンです。日本円とのレートは為替市場の趨勢により変化しますが、概ね1バーツ=約3円で推移しています。
タイ旅行の際の日本円からバーツへの両替は、現地(タイ)で行ったほうがいいでしょう。理由は、タイバーツは日本円に対してマイナー通貨であり、日本国内での交換レートは悪いことが多いからです。逆に現地のほうがレートは良く、観光地の空港・両替所・銀行を中心にお得に両替できます。
タイ旅行における決済手段ですが、基本はクレジットカード、補助として現金という形がベストです。なぜなら、タイは主要エリアでクレジットカードに対応、多額の支払いもスムーズに行うことができ、現金を多量に持ち歩かなくてよく、防犯対策にもなるからです。
現金は、カード決済に対応していない地方や小さな土産物店、交通機関、チップを渡す際に必要になりますが、そのような場合は、クレジットカードのキャッシングを利用することで対応できるでしょう。決済のメインはクレジットカード、現金は必要なケースでその都度、キャッシングで用意するというスタイルが理想です。
ただし、クレジットカードによるキャッシングでは、ATMにスキミング装置が仕掛けられている可能性もあるので、利用の際は安全を確認してからATMを操作しましょう。この点の安全対策としては、人気が少なく防犯カメラが設置されていない場所を避け、人通りが多く、日本や欧米でもよく知られた有名なカード会社のATMを利用することです。
タイ旅行にかかる滞在費の主要部分を占めるのは、食費・交通費・宿泊費の3つです。それぞれいくらぐらいかかるのか、価格帯の目安を紹介しますのでチェックしてみてください。
タイの物価水準は日本と比べても低く、食事代もかなりお安く済ませることができます。平均すれば食事は1回数百円~、観光客が立ち寄りやすいお店でも200バーツ(約600円)~、飲み物を含めても1日あたり2,500円~と、とてもリーズナブルです。
施設ごとに見ていくと、ホテル・レストランのランチで1人300~500バーツ(約1,030~1,710円)、インバウンド向け店のディナーで1人1,000バーツ~(約3,430円~)、屋台・フードコートの麺類・飯類で1品40バーツ~(約140円~) …が目安になります。
屋台、B級グルメから中級レストラン、高級レストランまで、施設ごとに価格帯の幅はありますが、総じて、タイ旅行の食費は安いのが特徴です。多少の贅沢をしても、食費が負担になることはないでしょう。
タイ旅行の交通費は、一都市内での移動と、都市間の移動、2つに分ける必要があるでしょう。
都市内の移動は、バンク市内を例にすると、高架鉄道スカイトレイン(BTS)、地下鉄(MRT)、タクシー、トゥクトゥクを利用できます。このうち、BTSとMRTは共に16バーツ~(約55円~)、タクシーは初乗り料金35バーツ(約120円)が相場です。トゥクトゥクはタイならではの乗り物として観光客に人気がありますが、事前の値段交渉が必要な上、外国人には料金を高めに設定していることが多いので、慎重に利用する必要があります。
一方、都市間の移動では、飛行機、鉄道、高速バスを利用できます。このうち鉄道を参考にすると、バンコクからアユタヤ(世界遺産の街)までの最低料金で15バーツ(約51円)、パタヤまで31バーツ(約106円)が目安です。いずれの交通手段であっても、料金は種別や座席により異なるので、事前に確認しておきましょう。
食費や交通費と同様に、タイ旅行では宿泊費も安く抑えることができますが、料金は宿泊施設の種類ごとに変わってくるので、あらかじめ施設ごとに相場を調べておきましょう。
宿泊施設の種類を、ゲストハウス・中級ホテル・高級ホテルと大雑把に3つに分けた場合、それぞれの料金相場の目安は次のようになります。
タイでは高級ホテルでもリーズナブルに泊まれることが多く、食費と同じくさほど節約を迫られることはないでしょう。
タイの物価事情は、長期的な傾向で見ると、インフレの影響により年々高くなっていますが、日本と比較すれば、物価はまだまだ低い水準にあります。とりわけ食材と交通費は安く済ませることができ、この点は海外旅行者にとっては大きなメリットです。一方、タイにおいても物価水準が高い分野もあります。それは輸入商品です。前述したように、タイでは食材や交通費が安いので、その分、輸入商品に関しては高いと感じるでしょう。
タイと日本の物価比較では、明らかにタイの方が安いです。デフレ不況の影響で物価が上がらない日本に比べ、タイは年々物価が上昇しているにもかかわらず、なおもタイは食費、交通費、日用品、宿泊費に至るまで、ありとあらゆる分野で日本より低い物価水準をキープしています。タイと日本の物価を項目別に比較してみましょう。
トイレットペーパーなど日本より高いものもありますが、総じてタイの方が物価が安いのが分かりますね。
ついでに、コーラ・たばこ・ビールの嗜好品の相場も日本円換算で比較してみましょう。
【コーラ】30バーツ
日本円で90円程度
【たばこ1箱】60バーツ
日本円で約180円
【ビール】40バーツ
日本円で約120
嗜好品3品はいずれも、日本よりタイの方が物価が安いですね。
タイには欧米各国と同様、チップの習慣があります。特に外国人観光客が多い首都のバンコクでは、ホテル、レストラン、マッサージ・SPA、タクシーを利用した際にチップが必要です。チップの相場は店のランクにもよりますが、大体の目安は以下の通りになります。
レストランの場合は、サービス料が会計金額に含まれているかどうかでチップの額も変わってくるので、明細をしっかり確認しておきましょう。
タイで商品やサービスを利用した場合、日本の消費税に相当する「VAT」(付加価値税)を一緒に支払わなければなりません。全ての商品が課税対象ではありませんが、ほとんどの商品にVAT7%がかけられています。
一方、外国人旅行者の場合、しかるべき条件をクリアし手続きを行うことで、VATの還付が受けられます。還付の条件は、「還付対象店舗で、1店舗につき1日2,000バーツ以上の買い物をした」「購入した商品の総額がVAT込みで5,000バーツ以上である」「購入した商品を購入後60日以内に国外に持ち出すこと」といった内容です。
還付を受ける方法は、出国時、各国際空港にてパスポート番号や入国日・出国日などを記載した申請書類を作成・申請し、出発ロビーにある「CUSTOMS CHECK POINT」にて、申請書類と未開封の還付対象商品、パスポート、航空券を提示して検印を受ければ、還付されます。
タイはアジアの中では比較的治安が良い国として知られていますが、外国からの旅行者は現金トラブルに備えておく必要があります。タイで考えられる現金トラブルは、スリ、盗難、置き引き、お釣りを少なく渡される、といったことです。治安のいいエリアを中心に観光すれば大丈夫ですが、いつどこで何があるか分からないので、万が一に備えての対策はしておきましょう。
現金トラブルへの対策としては、人気のない場所を歩かない、財布は厳重に管理し防犯対策を施しておく、現金は余分に持ち歩かない、お釣りは端数まで確認すること‥です。現地での決済については、上述したように、クレジットカードをメインにしたほうがいいでしょう。クレジットカードなら、例え奪われてもコールセンターに連絡すれば、使用停止にすることができます。
海外旅行では自らトラブルへの対策を行い、自分の身は自分で守るが基本ですが、本当に困ったときは、現地の日本大使館を頼りましょう。日本大使館では、パスポートを紛失した場合の再発行や、帰国のための渡航書の発行手続き、病気になったときの病院や医者の紹介、自然災害など緊急事態に際しての必要な支援を行うなど、さまざまなトラブルに対して情報提供や支援の手を差し伸べてくれます。
場所 | 177 Witthayu Road, Lumphini, Pathum Wan, Bangkok 10330 |
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