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メキシコの正式名称は「メキシコ合衆国」。日本の約5倍にあたる広大な国土面積を有するメキシコでは、製造業、油田業、農業等がとりわけ盛んに行われ、中南米諸国としてはブラジルに次ぐ経済規模を誇っています。
また、マヤ文明の遺跡やカンクンといった北部の都市を初めとするリゾート地には、世界中から多くの旅行者が訪れるなど、メキシコでは観光業も盛んです。
そして、メキシコといえば、独自の魅力を持つメキシコ料理を思い浮かべる人も多いのではないのでしょうか。日本人にとっても、タコスやブリトー、メキシコ・ビールに代表されるメキシコの食文化は、とりわけ親しみがあります。
そんなメキシコで使用されている通貨は「メキシコ・ペソ」。メキシコ・ペソの国際通貨コード(ISO 4217)はMXN、通貨記号は「$」及び「Mex$」です。Pesoという名称(二ペソ以上の場合は複数形のPesos=ペソス)は、メキシコを始めとして、コロンビア、チリ、キューバ、フィリピンなど、スペインを元宗主国とする国々の通貨で広く使われています。また、メキシコでは、ペソに加えて、アメリカ・ドルにおけるセントに相当する、1メキシコ・ペソ未満の「センタボ」も補助硬貨として使われています。
メキシコ・ペソの硬貨・紙幣の金種は、以下の通り。
【メキシコ・ペソ紙幣の 種類】
20ペソ、50ペソ、100ペソ、200ペソ、500ペソ、1000ペソの6種類
ちなみに、20メキシコ・ペソ紙幣、及び、50メキシコ・ペソ紙幣の一部は、特殊なプラスチック(ポリマー)で作られています。
2020年3月現在、メキシコ・ペソの最少額硬貨は10センタボ硬貨となっています。
最少額硬貨が10センタボ硬貨だとすると、端数の支払いはどうしているのか、と怪訝に思う方もいるかもしれません。これには、端数の支払いをめぐるメキシコ独自の事情が深く関わっています。
メキシコでは、現金で決済する場合、 商品やサービスの価格の端数を、切り捨て、もしくは切り上げること、が、一般的に行われています。端数を切り捨てるか、それとも切り上げるかは、各店舗等によって様々ですが、例えば、「180.89メキシコ・ペソ」で販売されている商品は、支払い時には、切り捨てられる場合には「180ペソ」、切り上げられる場合には「181ペソ」を支払う必要があります。
ちなみに、こうした端数の切り捨ては、ヨーロッパでも、オランダ、フィンランドといった国々でも導入されています。なお、クレジットカードで支払いを行う場合には、端数を含めた金額が請求されます。
したがって、メキシコでは、センタボ硬貨は流通はしているものの、50センタボ未満の20センタボ硬貨、及び、10センタボ硬貨は、年々硬貨のサイズが小さくなっていることも相まって、あまり使われず、また、支払いの際に使用することも好まれません。
カンクンを初めとするリゾート地では、欧米諸国と同様、飲食店や各種サービス等を使用した際にチップを渡すことがメキシコでも一般的ですが、10センタボ硬貨、20センタボ硬貨でチップを渡すことは好まれないので避けた方が無難です。
2020年3月現在、メキシコ国内のほとんどのホテルや銀行、両替店は、日本円からメキシコ・ペソへの両替は取り扱っていません。
したがって、空港の両替カウンターを除けば、メキシコ国内で日本円からメキシコ・ペソへの両替を行うことは、残念ながら非常に難しい状況にあります。そのため、メキシコを訪れる予定があるという人は、事前に日本国内で両替を済ませておくのがおすすめです。
どうしてもメキシコ国内で日本円からメキシコ・ペソへ両替をしたいという場合には、一度日本円をアメリカ・ドルに両替してから、改めて、アメリカ・ドルをメキシコ・ペソへ両替することを考えてみても良いかもしれません。
また、クレジットカードのキャッシング機能を利用し、現地のATMでメキシコ・ペソを引き出すことも、使用カードによっては可能です。現地で緊急にメキシコ・ペソが必要になったという場合等には便利です。
メキシコへの渡航前に日本国内でメキシコ・ペソへの両替を済ませておきたいという場合、空港の両替サービス、及び、外貨宅配を利用するのが、最も確実な方法となってきます。
三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行の外貨両替サービスは、2020年3月現在、空港内支店も含めてメキシコ・ペソへの両替の取り扱いは残念ながらありません。
SMBC信託銀行、京葉銀行、千葉銀行、千葉興業銀行の外貨両替サービスでは、成田空港内の支店に限り、メキシコ・ペソへの両替の取り扱いがあるようです。
また、金券ショップも、メキシコ・ペソへの両替を取り扱っているというお店の数はあまり多くはありません。また、金券ショップで両替をする場合、メキシコ・ペソのように日本人にとって馴染みがない通貨の場合、店側も気が付かないまま偽札が混ざってしまうというリスクも存在します。
なお、金券ショップの利用を考えているという場合、利用店舗に紙幣/硬貨の在庫が無い場合には両替を行うことはできないため、事前に問い合わせておくと良いでしょう。
外貨宅配でメキシコ・ペソへ両替をする場合、2023年02月現在におけるレートは以下のとおりです。
サービス名 | レート | 送料 |
---|---|---|
GPA | 9.13円 | 無料 |
トラベレックス | 8.82円 | 1,000円(10万円以上の両替で送料無料) |
JTB外貨両替 | 8.82円 | 1,000円(10万円以上の両替で送料無料) |
エクスチェンジャーズ | 8.2円 | 500円(7万円以上の両替で送料無料) |
※2023年02月14日時点
外貨宅配を利用する場合、自宅にいながら必要な手続きを済ませることができます。この点は、メキシコ・ペソのように取り扱っているお店及び銀行の数が比較的少ない通貨への両替をしたいという場合には、非常に大きなメリットとなってきます。また、外貨宅配を利用する場合、金券ショップのように偽札が混ざってしまう危険性もなく、両替レートも、銀行での両替に比べると良い傾向にあります。そのため、当サイトでは、時間に余裕がある場合には外貨宅配での両替をおすすめしています。なお、外貨宅配を利用する場合には、送料といった両替手数料以外にかかってくる費用の有無も確認しておきましょう。
金券ショップでメキシコ・ペソへ両替をしたいという場合、2023年2月現在における主な金券ショップのレートは以下のとおりです。
ショップ名 | レート |
---|---|
伊神切手社 | 8.73円 |
アイギフト | 8.63円 |
チケットゾーン | 9.13円 |
エクスチェンジャーズ | 8.2円 |
※2023年02月14日時点
一般的に、金券ショップでの外貨への両替は、銀行、外貨宅配、空港の両替サービス等と比較すると、レートが良い傾向にあります。とはいえ、前述のように、金券ショップでの両替には、偽札が混ざっているという可能性もないわけではありません。
もし、金券ショップを利用して両替することを考えている場合には、近隣の金券ショップでメキシコ・ペソの取り扱いがあるかどうか、取り扱いがある場合には、充分な在庫があるかどうか、また、店舗まで移動時間や移動費等を事前に確認しておくと良いでしょう。
メキシコでは、アメリカ人観光客が多く訪れるカンクンを始めとする一部のリゾート地では、メキシコ・ペソと併せて、アメリカ・ドルも一般的に使用することができます。
特にカンクンでは、ホテルを始めとして、ほとんど全てのスーパーマーケットやコンビニでアメリカ・ドルを使用することができます。ただし、アメリカ・ドルで支払いをした場合、お釣りはメキシコ・ペソでもらうことになります。
そのため、カンクンを訪れる場合には、アメリカ・ドルを事前に準備しておけば、現地で容易にメキシコ・ペソを手に入れることができます。ただし、アメリカ・ドルでも50ユーロ以上の高額紙幣は、お店によっては受け取ってもらえないことがあり、比較的少額の紙幣を多めに容易しておくのが無難です。
また、破れていたり、落書きしてあるなど、状態の悪い紙幣も受け取ってもらえない場合が非常に多いので注意が必要です。