およそ50ヵ国が存在するヨーロッパ各国間の経済取引などを円滑にするため、2002年から通貨として流通し始めた「ユーロ」。欧州連合に加盟している国は27ヶ国、その中でもユーロを通貨としているのは20ヶ国ほどとなっています。
イギリスの離脱で「EU崩壊」なども囁かれていますが、それでも海外旅行先として人気のイタリア、フランス、ドイツ、そしてスペインなどでは、依然ユーロが通貨として流通しています。
現在のユーロ人口は3億人超。アメリカドルに勝るとも劣らない勢力を誇ります。
【ユーロ紙幣の種類】
5ユーロ、10ユーロ、20ユーロ、50ユーロ、
100ユーロ、200ユーロ、500ユーロの7種類
ユーロと日本円の価値はほぼ同じといっていいですが、「円」がメジャーなのは日本国内のみ。EU諸国内で円からユーロに変更するときは「円」の力が相対的に弱まってしまうため、手数料やレートで損をしてしまう可能性が高いです。ユーロの両替はできるだけ国内で行っていくことをおすすめします。
国内で事前に両替できるのは、銀行・外貨両替専門店・金券ショップ・郵便局です。
それぞれにメリット、デメリットがあるので、あなたにあった両替方法をチェックしておきましょう。銀行での両替では口座が必須となることもあります。対して金券ショップの両替レートは、銀行よりも0.5~0.8円ほどお得です。外貨両替専門店は外貨宅配サービスを行っており、金券ショップよりもお得に両替できるケースが多いです。
空港によくあるのがTravelex(トラべレックス) という外貨両替専門店。旅行に慣れていないと分からないのですが、実は空港にはトラベレックス以外にもいろんな会社・銀行の両替所があるんです。レートはもちろん、手数料やサービスも変わってくるので、こだわれるなら調べておきたいポイント。空港での両替は安全面がメリットですが、デメリットは行列に並ぶことも。
基本的に日本円はヨーロッパだと割高気味なので、現地での両替はおすすめできません。ホテルに設置された自動両替機や街中の銀行、ATMは基本的にレートが悪く、日本の空港で両替したほうが良い場合も。一般的に、ユーロの両替は日本国内で事前に余裕をもってするのが安心です。
誰でも簡単にできるものは銀行、宅配、金券ショップの3つの方法があります!
当サイトでおすすめしているのが、宅配サービスを利用した両替!
宅配はネットで申し込みをするだけで両替ができます。銀行の面倒な手続きや平日15時までなど時間制約がなく手間がかかりません。
また、金券ショップのように外貨の在庫を気にする必要もありませんので、楽に外貨両替ができます。
外貨宅配 | 円からユーロ | 送料 |
---|---|---|
GPA | 128.81円 | 無料 |
トラベレックス | 129.11円 | 1,000円(10万円以上の両替で送料無料) |
JTB外貨両替 | 129.33円 | 無料 |
外貨両替ドルユーロ | 128.14円 | 400円(10万円以上の両替で送料無料) |
※2019年1月30日時点
送料がかかる会社もあるので、お得にやるなら無料で両替できるところを選ぶのもポイントです。
銀行でのユーロ両替レートを6行比較紹介しています。レートは以下の通りです。
銀行 | 円からユーロ |
---|---|
三菱東京UFJ銀行 | 129.11円 |
三井住友銀行 | 129.11円 |
りそな銀行 | 128.78円 |
みずほ銀行 | 131.10円 |
SBJ銀行 | 129.11円 |
ゆうちょ銀行 | 129.12円 |
※2019年1月30日時点
一見、他の両替ショップと変わらないような気がしますが、銀行のレートは両替手数料がかかるため注意が必要。
三井住友銀行の公式サイトによると、100枚までなら324円、1,001枚以上になると500枚ごとに432円の手数料がかかります。そのため、両替ショップのレートよりも高いので、賢いお得な両替とは言えません。見かけのレートに騙されないように気を付けましょう。
三井住友銀行で3万円をユーロに両替した時の価格を計算してみましょう。三井住友銀行は窓口で両替を行う場合、取り扱い紙幣100枚までは324円の手数料がかかります(三井住友銀行の口座を持っている方は30枚までは0円で両替できます)。
計算した日のレートは1ユーロ、133.70円。あらかじめ3万円から手数料の324円引いて計算するとわかりやすいです。
3万円-324円/133.70円=221ユーロ
もし、手数料がかからないとすると、
3万円/133.70円=224ユーロ
スタバのコーヒー1杯程度の金額と待つ時間がもったいないと思う方は、銀行はおすすめしません。
店舗名 | 円からユーロ |
---|---|
大黒屋 | 129.17円 |
J・マーケット | 128.91円 |
Tickety | 127.37円 |
※2019年1月31日時点
web上でのレートと店頭でのレートは異なっているので、直接店舗に問い合わせてください。
3万円/133.66円=224ユーロ
大黒屋では、3万円は224ユーロに両替することができます。やはり銀行と比べると、手数料がかからない分、390円程度お得にユーロを手に入れられます。
金券ショップでの両替は、外貨の在庫が無い場合があります。そのため、「外貨の在庫があるか」事前に確認するのが大切。EU危機でユーロに対して円高になった時には、ユーロ紙幣が一切無くなったことがあるそうです。
偽札をもらってしまうリスクも
外貨両替で気を付けるべきリスクのひとつが、偽札。外国紙幣は普段手にしないので、偽札かどうかなんてわからないですよね。
もし、自分が持っている外国紙幣が偽札と知らず、旅行先で使ってしまったらどうなるでしょうか。どうやって偽札を手に入れたか、証明することは難しいと思われます。偽札をもらわないよう、信用できる金券ショップを利用しましょう。
不景気になるとユーロの偽札が出回る?!
ラ・バンガルディア紙によると、ユーロ圏で10,000人につき平均25枚の割合で偽札が流通していると言います。ユーロ圏では、年々偽札の摘発が増えており、2012年で53万枚、2013年は67万枚。特に需要が高い50ユーロと20ユーロの偽札が多く出回っています。200ユーロや500ユーロの偽札もありますが、日常的に使われないため非常にわずか。
50ユーロ・20ユーロを外貨両替する際には、気を付けてくださいね。
2017年では19か国がユーロを使用しています。 オーストリア・ベルギー・キプロス・エストニア・フィンランド・フランス・ドイツ・ギリシャ・アイルランド・イタリア・ルクセンブルク・マルタ・オランダ・ポルトガル・スロバキア・スロベニア・スペイン・リトアニア・ラトビアが対象です。
EU加盟国でも、スウェーデンなどユーロを導入していない国もあるので、注意してくださいね。
フランスは、クレジット払いが主流なので、両替は最小限で問題ありません。日本の両替ショップとフランスの両替ショップのレートを比較すると、日本の方がちょっとお得。事前に両替するのが無難でしょう。
また、フランスでは200ユーロ以上の偽札紙幣が出回っているため、少額紙幣に両替しておくと◎。
クレジットカードに対応していない店舗が多いドイツ。そのため、両替は必ず計画的に行いましょう。
物価はイギリスやフランスと比べて安いです。特にビールは日本よりも安く、現地スーパーでは、水より安く売られている光景を目にします。
クレジットカーが1枚あれば買い物に困らないイタリア。ただ、有料トイレやチップのため、少額紙幣に両替するとスマートです。
イタリアで起きるスリ被害の8割は日本人です。「高額紙幣を持ち歩かない」、「カードを分けて持つ」などの万全の対策をとってから、旅行を楽しみましょう。
スペインは、ほとんどの場所でクレジットカードが使えます。とはいっても、劇場・美術館・タクシーではカードが使用できないので、事前にユーロに両替しておきましょう。
スペインは、日本よりも物価が安い国。食品が特に安く、食事は割安になるでしょう。
オランダでは「PINカード」と呼ばれる銀行のデビットカードが主流で、クレジットカードは使えない店舗が多いです。50ユーロ以下の紙幣を使うことが多いので、少額紙幣に両替しましょう。
オランダは酪農国のため、日本に比べるとチーズがとても安く買うことができます。
ベルギーでは、ほぼすべての場所でクレジットカードが使えます。そのため、現金を大量に持っていく必要はありません。チップは、料金に含まれているので基本的に必要ありません。
ただ、トイレではサービス係に指定の金額を支払います。少額紙幣に両替して持ち歩くことをおすすめします。
ギリシャでの両替は他のヨーロッパ諸国と比較してレートが良く、お得に両替ができます。一部の大手両替商では手数料がかからない支店もあるのだとか。
語学力や時間に不安がない方は、最低限のお金は日本で両替し、残りをギリシャの両替商で両替すると良いでしょう。
アイルランドで両替する場合、良レートは期待できません。日本で両替した方がレートは高く、賢い両替が可能。確実に使う金額は日本で両替し、クレジットカードと使い分けると良いでしょう。
また、50ユーロ以上の紙幣があまり出回っていないため、少額紙幣で両替することをおすすめします。
カード決済に時間がかかるなどのトラブルが多いポルトガル。安心してカードが使えるのは、大手百貨店・空港・ホテル・有名観光地と限られています。そのため、なるべく現金を持っておくと安心です。
また、現地での両替は手数料がかかるため、おすすめしません。あらかじめ日本で両替しておくと、お得にユーロを手に入れられます。
フィンランドはカード社会で、スーパーで1ユーロの水を買うのにもクレジットカード支払いを行うのが普通。チップの習慣はなく、トイレも無料化の傾向にあるので、小銭を持たずとも旅行ができます。
逆に100ユーロ紙幣での支払いは断られてしまうため、両替は少なめにしておくと良いでしょう。